終わりはハッピーエンド?心をうつ男の恋愛物語
恋愛をすると、そこに「物語」が生まれます。
楽しく過ごす日々から、喧嘩をして悲しむ日々、乗り越える壁ができては、
ふたりで頑張って乗り越え成長していくプロセスその人それぞれの恋愛物語ができるの
です。
みなさんにはどんな恋愛物語がありますか?
ここでは恋愛物語=ラブストーリーをご紹介していきたいと思います。
①ロミオとジュリエット
かの有名な恋愛物語、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」はご存知でしょうか。
「ある程度のストーリーなら」
「劇で演じたことがある」
「小さいころ絵本で見た」
詳細は知らなくとも一度はどこかで触れたことがあるかと思います。
この物語は子供の頃は全てを理解できなかったものの、大人になるととても奥深く、
また自分に置き換えて物語を見れたりと、楽しみ方は幾通りもあります。
そんな中、
「ロミオとジュリエットみたいな恋愛がしたい」と夢抱く人はもちろん、
「こんな恋愛したくない」と思う人も。
ロミオとジュリエットの情景は、今の時代では到底考えられないことですから、
想像するのは難しいかもしれません。
ただもし、今あなたが想いを寄せている人が死んでしまったら、あなたはロミオ
とジュリエットのように後を追うことを考えますか?
後追いすることが素敵な恋愛とはいいません。考え方はそれぞれですから、
「後追いするほど愛していた」と解釈すればそれまでですし、
「その人の分まで生きるべきだった」と言われればそれもそうかもしれません。
この物語の悲劇的なところは、当初ジュリエットはまだ死んではいなかった、
ということ。(死んだふりをしていた)
それを知らずに後追いしたロミオをジュリエットがみつけ、結局は命を絶つのですが……。
この悲劇があるからこそ、ロミオとジュリエットは肯定派、否定派、とはっきり
わかれるのかもしれません。
ただわかってほしいのは、後追いすることが云々というより、
「そこまで愛していた」というロミオとジュリエット双方の気持ちです。
互いなしでは生きていけない、そう思えるほど愛していたのでしょう。
そこまで想い合える相手と出会えたことは、とても素敵なことなのかもしれません。
②ラブストーリー
ロミオとジュリエットは少し現実とかけ離れてしまっているでしょう。
では、みんなどんな恋愛物語があるのでしょうか。
実際にあったラブストーリー[その1]
33歳、会社勤務男性のお話です。
彼は大学卒業後、今の会社に就職しました。
学生時代はそれなりに恋愛経験があったものの、社会人になってからは職業柄出会い
もなく、趣味のサッカー観戦やライブ鑑賞に休日を費やしていました。
そんな中、男友達と飲み会をすることに。
そこで出会ったのが美容師の彼女でした。
同じ趣味を持ち、食べ物の好みも似ているふたりは、付き合うまでに時間はかかり
ませんでした。この時彼は28歳でした。
お互い社会人なので、会うのは1週間か2週間に一度、それでも会えば居心地の良い
時間を過ごし、幸せでした。
あっという間に月日は流れ、付き合って5年目の彼女の誕生日、彼は彼女にプロポーズ
を考えていました。
いつものように過ごし、ゆっくりした時間の中で彼は彼女に切り出しました。
「結婚しよう」と。
この5年、何もなかったわけではありません。喧嘩もしたし、連絡をとらない時期も
ありました。それでも乗り越えて今笑って過ごせている、そのことが彼に自信を持たせたようでした。
と同時に、彼女もそう思ってくれているだろうと思っていたのです。
ですが、彼女から出た言葉は「ごめんなさい」。
彼は頭が真っ白になったそうです。
やっとの思いで絞り出した言葉は「なんで?」彼女も同じ思いだと思っていたから
こその言葉だったのでしょう。ただ、彼女からしたら遅かったのです。
彼女の言い分はこうでした。
「30歳の時に結婚の話をしたら”俺はまだまだだな”とする気がなかった」
「だったら自分には仕事しかない、と仕事に打ち込んだ」
「そうしていくうちに仕事が軌道に乗り、自分のお店を持てるまでになった」
「そうなってからプロポーズってずるくない?」と……。
結局ふたりは別れてしまい、その後、互いに別の人と結婚しました。
別の人と結婚してからも未練があったわけではありませんが、
「もしあの時もっと早くプロポーズしていたら」と考えてしまうそうです。
彼からしたら、仕事に打ち込んでいる彼女のことを思いプロポーズせずに待っていたそうです。
30歳の時の”まだまだ結婚する気がない”という言葉も彼女のプレッシャーに
ならないように、と考えてのことだったそうです。
ですが彼女からしたら、独立話が出たあとのプロポーズは“都合がよすぎる”と
思ってしまったのかもしれません。
恋愛は些細なことですれ違ってしまうものです。
彼も最初から思いを伝えていれば、彼女と結婚した道もあったでしょう。
逆に彼女も、彼に思いを伝えていれば、彼からプロポーズしてもらえたかもしれません。
ロミオとジュリエットが「行動」によるすれ違いならば、彼は「思い」によるすれ違いだったのでしょう。
恋愛の難しいところは、その「思い」をどこまで伝えれば良いのか、ということ。
長く付き添っているからわかるだろう、で済ましてはいけないということです。
彼の中では、この時の恋愛が「ラブストーリー」として今でも深く刻まれているそうです。
実際にあったラブストーリー[その2]
28歳、IT会社勤務男性のお話です。
人当たりもよく、同性からも異性からも「良い人」と言われる彼でしたが、
なぜか付き合うと長続きせず「良い人止まり」になってしまっていたそうです。
それは学生の頃からで、26歳になってもそれは変えられず、お付き合い最長期間が3か月。
周りは結婚しはじめ、結婚願望がない彼も焦りました。
長続きしないのなら結婚もできないのではないか、と。そしてなにより結婚してる
自分が想像できなかったそうです。
そんな話を笑い話にしてお酒をよく飲んでいたのが、のちに結婚することになる
学生時代バイトをしていた時の同期でした。
17歳の頃、バイト先で出会い、仲が良く当時からよく遊んでいたそうです。
そんな同期と9年ぶりに再会し、そこからまたよく遊ぶようになりました。
実はその頃彼には付き合いたての彼女が。
その彼女との相談もよくしていてアドバイスをもらったり時には叱咤されたり、
と良い関係だったそうです。
ですがアドバイスもむなしく彼女とは2か月で別れてしまいました。
原因は彼女の嫉妬からくる嘘。
彼は淡白な性格だった為、彼女も不安になってしまったのでしょう。
彼の気持ちを試す為に「別れたい」と告げてきたのです。彼は同期に相談しました。
もちろん彼女の思惑は知らないので、同期も「素直に今の自分の気持ちを伝えたほうが
良い」と背中を押し、彼は彼女に「別れたくない」と言いました。
そうして無事にやり直せたのですが、同期は彼に聞きました。
「やり直せてよかったけど、そもそもなんで別れようって言われたの?」と。
「それがそのことでまた相談なんだけど……。」と彼は同期に切り出しました。
「”別れたくない”と告げたあと、”わかった”」といやに早く納得したから、
なんで別れたいって言ったの?って聞いたら、”あなたの気持ちを確かめたかった”
って言われた。
それを聞いて俺が不安にさせてて悪かったんだろうけど、気持ちが冷めちゃって……。
やり直したばかりだけど、どうしようかと・・・」と。
同期は「そこまで答えが出てるならアドバイスいらないじゃない」そう一言言って、
他の話に切り替えたそうです。
結局彼は彼女に別れを告げ、またその話を同期に笑い話として話していました。
ですが同期は笑い話ではなく、「それでよかったんだよ」ときちんと受け止め、
その話を終わらせてくれたそうです。
そんな同期に惹かれ、彼は半年後交際を申し込みました。そして自分の最長記録だった
3か月をゆうに超え、1年後結婚し、今では二児のお父さんとなりました。
彼曰く、「どれくらい(期間)一緒にいるか、が重要じゃないことに気が付いた。
誰とその時間を過ごすのかが大切だ、と。
あの時、自分が結婚する姿はもちろん、お父さんになっている姿は考えもしなかった。
それでも今子供がいて幸せに暮らしているから、”今まで”という固定概念は捨てた
ほうがよいかもしれないね」そう言っていました。
付き合っていく中で彼は、彼自身が変わったそうです。
自分の意志を伝える、相手のことを思いやる、どうなりたいか先を考える、
今までしてこなかったことをするようになった、と言っていました。
同期だった彼女、そして今では奥さんとなった人からは
「当時付き合ってみて、なぜ長続きしないのかわかった」と笑いながら言われたそうです。
女性からしたら「さみしくなってしまう」のだとか。
男性と女性の受け取り方が違うからこその意見ですが、それも伝えてもらったから
こそわかったことなのかもしれません。
そして、そこで彼の”変わりたい”という気持ちがプラスに働き、うまくいったのかも
しれません。そして彼にとって初めての”ラブストーリー”にできたのでしょう。
人には色々な物語があります。そして、持っている物語は一つではありません。
そのそれぞれの恋愛物語の中で
”何を学び”
”何を思い”
”自分がどうしたいのか、どうするのか”が重要になってくるのではないでしょうか。
ロミオとジュリエットの物語も単に「こうなりたい」「なりたくない」ではなく、
もっと深く読み解いて、
その時のロミオとジュリエットの気持ちまで考えられたら、自分がどういった物語
を作っていきたいのか、その為にどうするべきなのか、が見えてくるかもしれません。
どの物語にせよ、自分にとって”幸せなラブストーリー”をつくる為に、今までの
恋愛物語から何かを得ながら、頑張っていかなければいけないのかもしれません。