結婚式にお呼ばれしたゲスト側が最低限抑えておきたいマナーについて
初めて結婚式の招待されたときになにをどういたらよいか分からずに困った、という人は多いのではないでしょうか?招待状は届いたけどどんな風にいつまでに返信すればよいか?や、どんな服装でいけばよいのか?ご祝儀はいくらをどのようにして渡せばよいのか?など初めての結婚式となると疑問に思うことは多々です。
友人や親戚から結婚式の招待状が届くと、招待状の返信や当日の服装、ご祝儀袋の書き方、フォーマルな場にふさわしいドレスなどの服装や、靴・バッグなどの小物とは何か、気になるご祝儀はいくらが適切かなどは誰かに教えてもらうという機会も少なく、知らない人も多いことでしょう。
この記事では結婚式にお呼ばれしたゲスト側(招待客)の最低限抑えておきたい結婚式マナーについて詳しく解説していきます。結婚式独特なマナーで日常生活では絶対に使わないようなものもありますのでぜひ最後まで読んでもらえたらと思います。
結婚式の招待状の返信マナーについて
まず結婚式の招待状が届いたときの返信の仕方とマナーのポイントとしては以下となります。結婚式という特別なお祝い独自な普段使うことのないマナーなどもあるので抑えておきましょう。
- 届いたら2~3日以内で返信する。最低でも期日までに返信はがきを送付する。万が一遅れてしまった場合には直接連絡を入れる。
- 欠席連絡はすぐ返信しない。1週間程度時間をあける
- 黒ペンではっきりと書く、二重線は定規を使い、「。、」は使わない。
- 「お・ご(御)」を二重線または「寿」で消す。
結婚式の招待状の返信期日について
記載されている期限までに返信はがきを送付するのが、最低限のマナーです。
まず、結婚式の招待状が届いたら、2~3日以内に送付できると理想的です。遅くとも一週間以内には返信をしましょう。万が一ハガキの確認が漏れていて期日を越えてしまったなどの場合には返信の前に本人に直接謝罪とともに確認を入れるようにしましょう。新郎新婦はこの返信はがきを受け取ることで、出席者の人数を把握しているためです。
欠席の場合の返信は1週間が目安
もし、結婚式の招待状が届いても参加できないという場合の「欠席時の返信」についてはすぐに返信ではなく1週間ほどの時間をあけてからの返信がマナーとなります。
この理由としては他の「参加」の返信ハガキが返ってくる時期とずらす方が集計ミスを防ぐことができるという理由とともに、早々に「不参加」というハガキが届いては新郎新婦のモチベーション低下になりますので、その点の配慮からの風習といえるでしょう。
返信用ハガキの書き方について
返信ハガキの記載には黒ペンではっきりと記載するようにしましょう。「鉛筆やシャープペン、フリクション」などの消えてしまう可能性のあるものはNGです。黒ペンよりも一段上となると毛筆などを使うこともあります。また、「お・ご(御)」消しの「寿」の文字だけを赤ペンで書くというのはおめでたいと、上級のテクニックとして知られています。
ご祝儀の金額・渡し方マナー
結婚式にまつわる悩ましいことのひとつに「ご祝儀」があげられるでしょう。少なすぎては「ケチ」と思われそうだし、多く包みすぎると「見栄っ張り」と言われるかも…などとなんでいる人も多いのではないでしょうか?
ご祝儀は、地域の特徴や「家」のしきたりなどに左右されることもあるのですが、一般的な目安となるマナーについて紹介していきます。
〈ご祝儀の額は〉実家や地方などの結婚式に招待された場合は、しきたりや風習があるので知人や親戚がいたら聞いておくのもよいでしょう。
ご祝儀の金額はいくらがマナー?
友人知人はであればご祝儀には3万円(2万円)を支払いましょう。一般的にはお札の枚数は奇数が良いとされているので2万円の場合には1万札1枚、5千円札を2枚という形で包みます。会社上司という立場での参加となるのであれば5万円を包みます。
- 友人・知人であれば3万円(最近は2万円もOK)
- 会社上司としての場合は5万円
- 親族・家族は5万円もしくは10万円
- 学生での参加の場合は1万円も可
「二」という数字は二つに割れるので縁起が悪いとされてきましたが、現在では「二人の幸せを祈る」とか「カップルを意味する」ということで、ご祝儀に二万円を包むことは許容されてきています。一万円札2枚を包むことに抵抗がある人は、五千円札を2枚にして、合計3枚のお札を包めば奇数の「三」になります。ただし、「四」と「九」は「死」や「苦」を連想させる数字として現在でもタブーの数字となっています。この金額でのご祝儀は避けるようにしましょう。
親族親戚の場合は、友人の場合よりも、さらに親族間の申し送りやしきたりがある場合が多いので、それに従うのが最もよいでしょう。親族の場合はあくまで目安ですが、「準備資金の一助」という意味合いを込めて、招待された人数に合わせて5万円もしくは10万円支払うのが一般的です。
披露宴参加時のマナーと注意点について
結婚式当日の流れとともに注意すべきポイントをまとめる下の表のようになります。
受付 | 招待状には受付開始時間、披露宴の開始時間が記載されているのでゆとりを持って受付ができる時間にいきましょう。 会場について、受付の担当者にまずは「本日はおめでとうございます」とお祝いの言葉を述べるのがマナーです。 この時、受付の方が対応しやすいよう、「新婦友人の◯◯です」というように、どちら側の友人であるか申し出るとよいでしょう。 |
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芳名記入 | 最近は受付時間とゲスト側の負担軽減のため、芳名帳のかわりにゲストカードの提出ですませるなどのケースも増えています。 芳名帳への記入が求められた際には、字のうまい下手ではなく、丁寧な字で名前と住所を記入しましょう。 |
新郎新婦親族への挨拶 | 受付時と同様の「新郎友人の〇〇です」のように折を見て挨拶をするようにしましょう。式が始まるまでに時間あるという場合や、披露宴の中座時などに挨拶に伺うようにします。 |
ご祝儀を渡す | ご祝儀は、袱紗(ふくさ)に包んで持っていきましょう。ご祝儀をむき出しで取り出すのはマナー違反とされています。袱紗の色としては赤やオレンジもしくは紫のものを使います。赤、オレンジなどの暖色系が慶事用、紺や緑などの寒色系が弔事用となりNGですので注意して下さい。紫は慶弔どちらでも使える色とされています。 |
テーブルマナー | フォークやナイフでコース料理の場合、外側のナイフとフォークを使っていきます。その他、音を立てないなどに最低限気をつけましょう。 |
結婚式のマナーというとご袱紗でのご祝儀の渡し方などに注目が集まることも多いですが、もっとも重要なものとしては新郎新婦の両親や親族への挨拶が大切だと思います。新郎新婦の親族というのは、新郎新婦当人たちほど忙しいわけではないため、式当日はゲスト全体の人を見ていることが多いです。新郎新婦の友人ということで親族から見ると知らない人達が多いわけで、友達ゲストたちの振る舞いについて比較的関心が高いものです。
新郎側の親族が、友達の様子を通して新婦の人となりを推測する、などという厳しい話も珍しくありません。大声で騒がないなどは常識的なことですが、親族にあいさつをするなど、基本的な礼儀を欠かさないようにしましょう。
新郎新婦のご両親と面識がない場合は話題に困ってしまうことが多いかもしれませんが、披露宴中にご両親がテーブルを回って挨拶に来てくださった時や、お見送りの時などには、受付の時と同様お祝いの言葉をかけ、新郎新婦との関係のことなど、簡単に話せる話題を見つけておくと安心です。
また、スピーチや余興など大勢のゲストの前に出る場面では特にマナーには注意したいところ。他のゲストに非常識と思われてしまうような言動・行動をとると、新郎新婦に恥をかかせてしまうことにもなりかねません。
些細な悪ふざけや冗談で言った失言がお祝いムードを台無しにしてしまうことも多々です。きちんと節度を守った態度を心がけましょう。
結婚式のテーブルマナーについて
結婚式で振る舞われるナイフとフォークでいただくようなフルコースのお料理は、慣れていないとマナーが合っているか不安になってしまいます。ある程度の年齢になると、結婚式におよばれすることも増えてきますから、結婚式はマナーを覚えるチャンスでもあります。
細かなマナーを知らないまでも、最低限のマナーとして以下は抑えておきましょう。
- ナイフ・フォークは外側から使っていく
- 食器同士の音をたてない
- まだ食べているときにはナイフとフォークはハの字に皿の上に置く
- 食べ終わった料理はナイフとフォークを揃えて皿の上に置く
- 同席のゲストと大声で話さない
- 周囲と食事のペースをあわせる
- 必要以上にお酒を飲み過ぎない
上記は最低限のテーブルマナーとしておさえておきましょう。
結婚式に参加するときの服装マナーについて
結婚式にはどのような服装で参加したらよいのか?と悩んでいる人も多いのではないでしょうか?着物やスーツであったとしても結婚式での自分の立場と服装があっていなければ常識はずれと思われてしまうこともあるのできちんとポイントは抑えておきましょう。
結婚式にお呼ばれした女性の正しい服装について
冠婚葬祭での服装には立場に応じて正礼装、準礼装、略礼装の3つがあります。着物、ドレスでのこれに該当する服装があり、まとめると以下のようになります。
着物 | ドレス | 新郎新婦との立場 | |
正礼装 | 黒留袖 色留袖 振袖 |
スカート丈はロングまたはミディ丈、胸元は襟元がつまったもの、長袖、同色無地 | 母親・仲人・既婚女性 未婚女性親族 |
準礼装 | 訪問着 色無地 |
「セミアフタヌーンドレス」「カクテルドレス」「セレモニースーツ」肩出しはカーデガンを羽織る。基本的には同色無地 | 友人・同僚 |
略礼装 | 訪問着 付け下げ 江戸小紋 小紋 |
花柄や柄物、上下の素材が異なる服 | 友人・同僚 |
結婚式ではNGと言われる服装は?
結婚式のおよばれでよくいわれるのは花嫁と同じ色の「白い服」は、新婦の白いウェディングドレスと被ってしまうので、ゲストは控えるのがマナーです。
そのほか、露出の激しい服など、派手な個性的すぎる服装も避けるようにしたいところ。結婚式は自己主張の場ではないことを、ゲストは心しておきましょう。
結婚式や披露宴はフォーマルなお祝いの場。そしてなにより主役は新郎新婦です。自分の衣装を披露するパーティではないことを心得ておきましょう。
結婚式にお呼ばれした女性の服装としてNGと言われる例をまとめると以下のようになります。
白い服装 | 白のドレスやワンピースなど、ウェディングドレスと同じ白はNGです。上が白いブラウスで下のスカートが色物という程度は許されるでしょう。 |
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肌の露出の高い服装 | ミニ丈やベアトップ、胸が大きく開いているドレスなど露出が多いドレスはNGです。 |
個性的すぎる奇抜な服装 | 全身スパンコールのキラキラドレスなどはNG、当日の主役は新郎新婦あることを忘れないようにしましょう。 |
カジュアルすぎる服装 | ジーンズなどカジュアルなパンツスタイル、ブラウスとスカートなど普段着るようなカジュアルな服装は避けましょう。結婚式にふさわしい服装にしましょう。 |
以上は結婚式にふさわしくありません。ドレスのデザイン上、肩が見えるならば、羽織り物は必需品。です。
パーティならば許容されるキラキラなゴージャスドレスはゲストの服装としては目立ちすぎですし、フォーマルにふさわしい素材のドレスを着ることも大切です。反対にあまり地味すぎる服装も結婚式の会場にはふさわしくないでしょう。
結婚式にお呼ばれした男性の正しい服装について
女性と同様に、男性ゲストも新郎新婦より控えめな服装が求められます。
とはいえ、ビジネススーツでは場違いになってしまうので、やはり相応の服装で出席することが必要です。
結婚式にお呼ばれし男性の服装としてNGと言われる例をまとめる以下となります。
- 新郎より目立つ派手なスーツやシャツ
- 革ジャンや柄シャツなどの個性的なスタイル
- スニーカーやジーンズなどのカジュアルスタイル
結婚式およばれした時の男性の服装としては準礼装(=略礼服)を着用します。
結婚式で着用するスーツ(洋装)としては礼服に当たる「タキシード」や「ディレクターズスーツ」などを指します。礼服とビジネススーツの違いは、真っ黒な礼服に対して、ビジネススーツは少しグレーがかっています。
礼服はデザインもゆったり目のシルエットのものが多いです。また礼服の種類は3つあり、「正礼装」「準礼装」「略礼装」と分けられます。それぞれの特徴からシチュエーションや式場タイプ別にあわせて着用しましょう。結婚式の主催者の意向や格の高さ、また自分と相手の関係性などに合わせて選びましょう。
その他、結婚式でマナー違反として注意が必要なこと
結婚式のマナーというと返信ハガキの返し方、服装やご祝儀の渡し方などに目に見えやすいもに注目が集まりがちですが、マナーとはそもそも相手に迷惑をかけない配慮の心が大切です。以下には式に参加する人の心構えとして意識しておくとよい結婚式マナーの例です。結婚式では盛り上がりすぎて羽目を外し過ぎてしまう人を見ることも少なくありません。意識してそうならないように注意しましょう。
隣テーブルまで聞こえる大きな声はマナー違反
披露宴では、食事がおいしい上に、お酒も振る舞われ、楽しく盛り上がっていくのは当然でしょう。また、さまざまなゲストと一緒にお酒を楽しめるよい機会ですが、結婚式は「飲み会」ではありません。
お酒も入り、多数の人が集まりざわついた会場ではついつい会話のボリュームも大きくなりがちです。
当日は公共交通機関を利用し遅刻の内容に会場に向かう
お祝いの場に遅れて参加することは、新郎新婦やゲストに対してとても失礼にあたります。また、時間にルーズな人が友達だと思われ、新郎新婦の評判に影響を及ぼしかねませんので注意しましょう。
結婚式会場は多くの人が集まるので駐車スペースがない可能性もあります。また、お酒を振舞われる場にはなるので自分はお酒は飲まない場合でも車で会場に行くのは避け、公共の交通機関を利用するようにしましょう。どうしても車で向かう必要がありそうな場合にはタクシーを活用するようにしましょう。
特に降雪や台風などの時期には電車や車も大きくダイヤが乱れる可能性があるのでゆとりを持った行動を心掛けるようにしましょう。
プログラム中の中座はマナー違反となるので注意
結婚式によっては全体参加型のプログラムなどが組まれている場合もあります。トイレのタイミングなどには気おつけましょう。
式は始まる前や、司会者がマイクで話していないタイミングなどを見計らって済ますようにしておきましょう。
会場内に持ち込めるもの
会場内に持ち込むバッグに入る持ち物はそれほど多くはありません。けれども、なにかと荷物が増えてしまうものです。まずは、「バッグにいれるもの」とそのほか「クロークに預けてよいもの」をわけて考えてリストにしてみましょう。
バッグに入れて会場に持ち込むものとよいものリスト
- ご祝儀(ふくさ)
- 招待状と地図
- 財布:貴重品は常に身に付けておきましょう。
- 携帯電話、デジタルカメラ:スマートフォンだけでもOK。
- ハンカチ、テッシュ
- メイク道具(手鏡)
- ペンなどの筆記具
- ミント系タブレット
会場クロークに預けておくとよいものリスト
- 予備のストッキング:万が一の場合に備えておきましょう。
- 絆創膏:ヒールで痛めた足元対策に。
- 携帯の充電器:充電切れでも安心です。
- エコバッグ:荷物をまとめたいときに便利です。
- 行き帰り用の靴や着替え:身軽に帰りたい場合は忘れずに。
- ヘアピンやスプレーワックス:会場でしっかりヘアスタイルを整えましょう。
まとめ
結婚式のお呼ばれしたときのマナーについて紹介してきました。招待状の返信や服装などの目に見えるマナーについて目がいきがちですが、そういったマナーよりも当日行動の方がずっと大事だと思います。最近の結婚式に仲人役など親族と近しい席に結婚式に参加させていただき、感じるのは親族への挨拶に行っていない人が年々増えている印象です。
自分から話しかけるというのは非常に勇気がいることですが、ただ無難に式に参加すればよいというものでもありませんので、ぜひこの記事を読んだ方は忘れずに親族席への挨拶を行ってもらえたらと思います。
結婚式は特別な場、失礼のないようにわきまえ、楽しさに飲み込まれ過ぎないように注意しつう、新郎新婦側もゲストの参加者も楽しい思い出に残る結婚式にしてもらえたらと思います。