婚活の語源は? 意外と知らない婚活の由来や歴史
普段みなさんが何気なく使っている言葉「婚活」について、どういう言葉の意味があるのかということや、どんな歴史があるのかということを考えたことはありますか?
今回は、婚活の由来やこれまでの成り立ちについてご紹介します。
①婚活の言葉の由来
まず、婚活の語源を知るうえで、婚活を辞書で調べてみると、「結婚活動の略で理想の相手を見つけ、幸せな結婚をするためにさまざまな活動をすること。」とあります。(出典:goo辞書 https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%A9%9A%E6%B4%BB/)
この「結婚活動」とは具体的にどういうことかというと、結婚相談所や情報サービス会社への登録など、結婚相手を見つけるための積極的な活動をいい、就職活動を表す「就活」をもじった造語です。(出典:コトバンク https://kotobank.jp/word/%E5%A9%9A%E6%B4%BB-188246)
今では誰にでも馴染がある婚活という言葉ですが、その語源に迫ってみると就活に由来があるとは意外に思う人も多いのではないでしょうか。
②婚活の意味
では、なぜ就活をもじった言葉が生まれたのかをもう少し詳しく見てみましょう。
婚活の語源としては、晩婚化や非婚化の実態を取り上げた週刊誌「アエラ」の記事が話題になり山田昌弘・白河桃子共著の『「婚活」時代』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)が火付け役となりました。(出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) https://kotobank.jp/dictionary/nipponica/)
なぜそれほどまでに話題になったのでしょうか。
女性の社会進出や様々な理由による晩婚化・非婚化の時代においては、就職活動のように自ら情報を収集し、自らをアピールすることが必要と言われています。
近年では婚活とは、結婚を意識したら婚活という言葉を使う人もいるように、気軽に使いやすい言葉でポップなイメージもあります。
でも婚活の語源を少し知ると、単に結婚を望むだけではなく、素敵な相手と会うために結婚相談所の利用や合コンへの参加など、実際に積極的に行動することが婚活の意味であるということが分かります。
③婚活の歴史
婚活の語源は、当時の時代背景や著書によるものだと分かりましたが、それらはいつ頃のことだったのでしょうか。
まず、前述の晩婚化や非婚化の実態を取り上げた週刊誌「アエラ」は、2007年11月に刊行され、著書『「婚活』時代』は2008年3月に刊行されています。(出典:Wikipedia)
これらを見ると、婚活の語源は今から約12年前に誕生し、その歴史は比較的まだ浅いと言えます。
とは言っても、婚活と言う言葉の誕生と共にこの10数年の間には変化もあったようです。
例えば、婚活ブームや少子化・過疎化対策などを背景として、結婚活動の支援に取り組む地方自治体や企業も出てきており、また、企業によって、結婚活動関係のビジネスが活況を呈しています。(出典:Wikipedia)
近年では、婚活手段としてSNSやマッチングアプリといったツールの登場など、若年層にも馴染みやすく、婚活を気軽に始められる機会が身近になってきています。
このように、婚活の歴史はそれほど長くないものの、婚活が話題になったことによって、地方自治体や企業が婚活を積極的にサポートするようになったという歴史があります。
④晩婚化の婚活
ここからは、婚活の語源に関連して、婚活の実態をパターン別に見ていきましょう。
まずは、婚活ブームの背景でもある晩婚化についてです。
晩婚化と言われていますが、現代は昔と比べてどのくらい違いがあるのでしょうか。
実際にデータを見てみると以下のような結果があります。
平均初婚年齢をみると、昭和50年以降上昇傾向のまま推移している。昭和52年に25.0歳、平成4年で26.0歳と、1.0歳上昇するのに15年かかったのに対し、平成12年で27.0歳になるまでは8年間しかかからず、晩婚化のスピードが速くなっている。(出典:厚生労働省 人口動態統計特殊報告 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/syussyo-4/syussyo2-1.html)
このように婚活の語源が誕生する前には既に晩婚化の動きがみられており、年を経るにつれて平均初婚年齢の上昇だけではなく、晩婚化のスピードも年々早くなっていることが分かります。
婚活においては、理想の相手の条件として年齢をある範囲に定めている人も多く、特に男性の中には「20代前半の女性」を条件にしている人もいるでしょう。
でも、晩婚化の状況を知ると、結婚に積極的な20代前半の女性が多いかと言うと決してそうではなく、それと関連して、20代前半の女性に婚活相手として出会える可能性も年々低くなっていることが想像できます。
⑤少子化の婚活
婚活の語源に関連して、婚活の実態のうち次のパターンを見てみましょう。
先ほどご紹介したように、昭和50年以降から平均初婚年齢が上昇傾向にあります。
結婚をする年齢が遅くなるに伴い、子供を出産する年齢も上昇するのは勿論ですが、ここにはもう一つ特徴があって、子供を何人産むかにも変化があるようです。
母の出生時平均年齢を見てみると以下のようなデータがあります。
昭和50年に第一子が25.7、第2子が28.0歳、第3子が30.3歳。以降なだらかに上昇し、平成12年には、第1子が28.0歳、第2子が30.4歳とこの25年間で約1人分の差が生じている。(出典:厚生労働省 人口動態統計特殊報告 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/syussyo-4/syussyo2-1.html)
このように、婚活の語源が誕生するより前と比較しても出生する子供の人数にも違いがあり、少子化の実態もあります。
少子化の理由として晩婚化もあるでしょうが、それに関わらず子供を持つことへの考え方の変化もあるでしょう。
例えば、子供を育てるには自分は未熟だと、更なる自分のスキルアップを求めて仕事に励む人もいます。
また、働いている女性が更に上のキャリアを目指すとなると、出産や育児の期間がブランクとなるケースもあります。
かつては子供を何人も産み育てることが当たり前と考える人が多く居ましたが、その考えも変化し、自分の生活基盤や仕事などいろいろなことを考慮したうえで、子供を何人産むのかを考える人が増えてきています。
このような中での婚活では、将来、子供を持つのか、何人欲しいのかなどを自分のみで考えるのではなく、相手の意見や考えもしっかり聞いたうえで良くすり合わせることが大切なのです。
⑥未婚化の婚活
婚活の語源が生まれた頃にも取り上げられていたこととして、晩婚化のほかに非婚化ということがあります。
これは言葉のとおり結婚をしないということです。
婚活の語源の時代背景として非婚化が取り上げられたように、昔は大人になったら相手を見つけて結婚をするというのが当たり前でしたが、近年は結婚をせず独身で過ごす人も多くいます。
それではなぜ、結婚をしないのでしょうか。
以下の調査は晩婚化に関する調査ですが、なぜ結婚をしないのか理由が分かります。
国立社会保障・人口問題研究所が18~34歳の独身者に「独身にとどまっている理由」を聞いたところ、18~24歳の若い年齢層では「まだ若すぎる」「仕事(学業)にうちこみたい」「まだ必要性を感じない」など、「結婚しない」理由が多く選ばれています。
25~34歳の層では「適当な相手にめぐり会わない」という理由が最も多くなっています。ただ、この年齢に至っても「まだ必要性を感じない」や「自由さや気楽さを失いたくない」という理由も多く、とくに「自由さや気楽さを失いたくない」は、若い年齢層よりも多く選ばれています。(出典:生命保険文化センター https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifeevent/mariage/13.html)
調査結果を見ると、自身の現状を見て結婚するにはまだと考える人が多いとともに、20代後半や30代などいわゆる結婚適齢期の人も結婚の必要性を感じない人がいます。
また、特に注目したいことは、自由や気楽さという点で、結婚に縛られたくないと考える人が一定数いるのです。
結婚を枷のように自分の生活や人生を制限するものと考える人がいるということは、それらの人はそもそも婚活しようと考えませんし、仮に婚活したとしても自分の自由を重視する傾向があるのです。
このような人を婚活相手とする場合は、結婚が自由を奪うもののようなネガティブないイメージを与えないことは大切でしょうが、何よりも相手が本当に結婚をする気があるのか、このまま交際を進めて良いのかを見極めることがとても重要になってくるのです。